土壁の家

-柏刈優秀住宅作品展 環境賞受賞-

子どもを育て上げた後、夫婦で充実した時間を過ごすための住宅であり、 大黒柱のある畳の間、板の間を中心とした吹き抜けによる広がり空間を特徴としている。

長期間留守にすることが多いため、密閉時にも皮膚呼吸の可能な土壁を採用した。

外壁は柏崎名物の米山おろしに耐えるハンダ仕上げとし、内壁は化学物質を浄化する硅藻土(けいそうど)を使用した。 大壁構造の土壁の表情は豊かで、どこか懐かしさを感じさせる。

室内の仕上げをビニールクロスなどの化学製品を使用していない為、シックハウス症候群とも無縁の健康的な住宅となった。 また断熱材をほとんど使用していないにもかかわらず、充分な断熱・遮音・通気性能が得られた。

これらは機械設備に頼らなければならない、高気密・高断熱住宅とは異なる環境にも優しい思想である。 解体時には大地へ帰る土壁は持続可能な循環型社会に適合する環境建築の方法であるといえる。

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