家に高気密・高断熱は必要ない?メリットとデメリットを詳しく解説します!
家づくりを考えていく中で「高気密・高断熱」という言葉を耳にしたことがある方も多いかと思います。
2020年から「改正省エネ基準制度」が義務化され、その影響で高気密・高断熱住宅が広く知られるようになりました。
これは補助金が適用されるZEH(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)の要素の1つでもあり、工務店と商談する際にも予備知識を持つお施主さんが増えてきている印象を受けます。
この記事では、高気密・高断熱のメリット・デメリットをこれから家づくりをしようとしている方向けにわかりやすく解説します。
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高気密・高断熱の住宅とは?
高気密住宅とは、住宅の隙間をできるだけなくして室内の空気と外気の出入りを最小限にした『気密性の高い住宅』のことです。
一方、高断熱住宅は、高断熱の断熱材や窓の採用などによって住宅の室温が外気の温度に左右されにくい『断熱性能の高い住宅』のことを指します。
高気密・高断熱の2つが組み合わさることによって魔法瓶のように室温が一定に保たれるため、夏は涼しく、冬は暖かい住宅で快適に過ごすことができます。
住宅内の温度が外気温に左右されにくく冷暖房効率が上がるため、毎月の光熱費を抑えることが可能です。
また、エネルギーの消費が少なくなることで二酸化炭素の排出が減り、地球にも優しい住宅だと言われています。
高気密・高断熱住宅の3つのメリット
高気密・高断熱住宅の住宅には、多くのメリットがあります。
その中でも代表的なメリットは以下の3つです。
- 省エネで快適な環境で過ごすことができる
- ヒートショックや熱中症リスクの軽減
- 光熱費の節約が可能
順に解説していきます。
省エネで快適な環境で過ごすことができる
高気密・高断熱住宅の建築には、年間を通して快適に過ごすというさまざまなメリットがあります。
このタイプの住宅は空気の流通と熱の伝わりを遮断するため、外部の気温変化の影響を受けにくいのが特長です。
したがって、夏の暑さや冬の寒さもほとんど住宅内に伝わらず、エアコンを使用して調整した「快適な温度」が長期間安定して保たれます。
特に、昨今の厳しい気象条件の中で、高気密・高断熱住宅によって夏は涼しく、冬は暖かく過ごすことができることは、快適な家庭生活を送る上で大きなメリットと言えるでしょう。
ヒートショックや熱中症リスクの軽減
ヒートショックとは、部屋間で大きな温度差があることにより血圧や脈拍が急激に変動し、心臓発作や脳梗塞を引き起こす症状です。
典型的な例として、「冬場、リビングは暖かいのに浴室は寒い」といった状況が挙げられます。
高気密・高断熱住宅は、外気温の影響を受けずに家全体の温度を一定に保つことができるので、ヒートショックの予防に役立つのです。
特に子どもやお年寄りの方にとって健康的な住環境として非常に喜ばれる要素だと言えるでしょう。
光熱費の節約が可能
高気密・高断熱住宅には、冷房・暖房の費用を節約するという利点もあります。
外気温の影響を受けずに住宅内の温度を一定に保つことができるため、冷暖房の効率が向上し、光熱費を節約できるのです。
設定温度を著しく高く(もしくは低く)設定しなくても快適に過ごすことができるので、結果として光熱費を抑えられます。
高気密・高断熱住宅に住むことで省エネ効果が期待でき、お財布にも地球環境にも優しい暮らしを実現できるので、まさに魅力的な住まいと言えるでしょう。
高気密・高断熱の住宅の2つのデメリット
高気密・高断熱の住宅のデメリットは以下の通りです。
- 建築費が高額になりやすい
- 暖房器具の制限がある
順に解説していきます。
建築費が高額になりやすい
高気密・高断熱住宅は、他の住宅に比べて建築費用が高くなるというデメリットがあります。
これは、断熱効果の高い建築資材の多くが高価であることや、すき間なく断熱材を入れるなど高い精度での設計・施工技術が要求されることが主な原因です。
もちろん、コストを抑えたいという気持ちもあるでしょうが、建築時の初期費用を抑えることが必ずしも得策とは言えません。
なぜなら建設当初に多少費用がかかっても、高気密・高断熱住宅にすることで冷暖房のコスト節約といった『将来のランニングコスト』を削減できるので、長期的にメリットがあるからです。
つまり、建築時の費用だけでなく将来のランニングコストも含めて考慮し、高気密・高断熱住宅の利点を総合的に検討することが『満足できる家づくり』に繋がると言えます。
暖房器具の制限がある
高気密・高断熱の住宅では、火気を使う暖房器具の使用が基本的には想定されていません。
石油ストーブやガスファンヒーターなどの火気を使う暖房器具を使用すると、高気密の住宅では室内の空気が外に逃げないため二酸化炭素濃度が上がってしまいます。
定期的な換気が必要な火気を使う暖房器具は、不完全燃焼による一酸化中毒のリスクが発生するため、窓を開けない想定の場合には使用を控えるべきです。
また、水蒸気が発生することで結露によるカビ発生の原因も考えられます。
高気密・高断熱の住宅は室内の温度を保ちやすいため、床暖房や全館空調との相性が良く、採用している家庭も多くあります。
【まとめ】高気密・高断熱の住宅は快適な暮らしができる
今回の記事では、高気密・高断熱の住宅のメリット・デメリットについて詳しく解説しました。
高気密・高断熱の住宅のメリットとデメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット |
---|---|
・省エネで快適な環境で過ごすことができる ・ヒートショックや熱中症リスクの軽減光熱費の節約が可能 | ・建築費が高額になりやすい暖房器具の制限がある |
高気密と高断熱のどちらか1つではかえって室内環境が悪くなってしまうため、この2つはセットで採用することが肝心です。
また、結露対策には24時間換気を行い、適切に室内の空気を循環させるようにする必要があります。
気密性と断熱性を高めるための初期投資としての「建築費」は多少かかりますが、建てた後はずっと省エネであることに加えて『夏は涼しく、冬は暖かく』過ごすことが可能なので、コストパフォーマンスも良いと言ってもいいでしょう。
家中の温度が一定に保たれるため、快適で健康被害のリスクを軽減することが期待できる一方、火気を使う暖房器具は一酸化中毒のリスクが上がるため使用することができない点に注意が必要です。
この記事があなたの家づくりの参考になれば嬉しいです。