リノベーションの時代到来?
建築(住宅)業界の今
㈲池田工務店、池田一峰です。
あっという間にお盆が終わり、一年の半分以上が過ぎてしまいました。(とっくに半分は過ぎていますが)
新型コロナウイルスも依然として収束が見えず、ウクライナ情勢も長期化し、
世界経済のも下振れが続いています。
建築業界もウッドショックにはじまり資源や燃料の調達難による価格の高騰、納期の遅れなど
多大な影響下にあります。
住まいという観点からも
エネルギーの面では精製に掛かる燃料を海外から輸入している割合が多いので電気代やガス代などの
光熱費も値上がりを続けています。ガソリンや灯油も同じく。
生活に直結する食品や雑貨なども値上げが続いていて、スタグフレーション(※1)状態といえるでしょう。
※1 景気が後退していく中でインフレーション(インフレ、物価上昇)が同時進行する現象。
景気停滞を意味する「スタグネーション(Stagnation)」と「インフレーション(Iinflation)」を組み合わせた合成語。
リノベーションの時代が来ている?
そんな状況で専門誌には本格的に「家が建たない時代」に突入したと書いてあります。
それは以下のような理由があります。(あくまで大枠での話です。)
注文住宅市場の中心は土地、建物合わせて総予算4000万円の地方都市に暮らす一次取得者(はじめて家を購入する人)です。
内訳は土地取得に1500万、新築工事に2500万が平均的なバランスです。
しかし現在はこの価格帯の注文住宅が成り立たなくなってきています。
資材の価格の高騰などにより新築工事の中央値が2500万円→3000万円となり、土地・建物総額が4500万となってしまいます。
ここに住宅ローンの金利上昇等も加わり返済を考えると以前のように4000万円のフルローンを組むのが難しくなります。
すると従来市場のメインを担っていた上記のような方が家を新築することが困難になってきています。
そこで近年リノベーションの需要が高まって来ています。
リノベーションにも様々な種類がありますが
耐震、断熱性能も高めたスケルトンリノベーションや部分リノベで性能を高める手法にも注目が集まっています。
個人的な意見ですが、住まいは必ずしも新築にこだわる事はないと思っています。
20代、30代で低価格の新築を35年ローンを組んで一生ローンを払い続けて行くことが果たして幸せなのか。
性能が高ければ長期的にもランニングコストの面や耐久性の面から十分な価値があると思いますが、イニシャルコストを重視して
性能をないがしろにするとあまりメリットは感じません。また後述のようなタイプの住宅は将来利用価値を見出せず、解体まですれば
良いですが、解体工事も大きな費用が掛かるので空き家問題を起こしやすいと思います。
例えば古家を購入し、リノベーションする、親と同居し共同費用でフルリノベーションを行い性能を高めるなど
選択肢は意外とあるのでがないかと考えています。
池田工務店の目指す住まいづくりについて以前触れている記事がありますのでこちらも是非ご覧ください。
これからの家づくりを考える―池田工務店の目指す住まいづくり― | 有限会社 池田工務店 (kashiwazaki-ikedako.com)
話が逸れましたがリノベーションは既存の状態を正確に判断し、計画する能力や古い年代の家を手掛ける事が多いので
確実な大工の知識や技術を必要とする点から新築工事よりも難しいと感じます。
当社も今年度はリフォーム、リノベーションのご依頼を多く頂いております。
やはり住まいを大切に長く住み続けるという想いがある方から依頼が来ると嬉しいです。
みなさんもこの機会に是非一度住まいのあり方について考えてみてはいかがでしょうか。
古民家物件も慣れていますので何かありましたら気軽にご相談ください。